みゅうちゃんは、再び、龍のまるちゃんと夢の世界に行きたいと思いました。
(この間、いろんなことがありすぎましたからね……)
今回は、そんな、みゅうちゃんと龍のまるちゃんとのお話です。
「ねぇ、まるちゃんは、本当にいるの?」と、みゅうちゃんは、龍のまるちゃんに聞いてみました。
「どうしてそんなことを聞くの?ぼくはいつもいるよ」と、まるちゃんが答えました。
「だって、俊哉おじさんは、まるちゃんがいるのはわかるけど、姿が見えないって言うよ」と、みゅうちゃんが言いました。
「あのおじさんは、そういうのが見えないだけだよ」と、まるちゃんは答えました。
「ゆきさんは、まるちゃんのこと、エネルギー体で見えるって言うけど、どうして?」と、みゅうちゃんは聞きました。
「それはそうかもしれないね。ぼくは、みゅうちゃんのような肉体を持っていないからだよ」と、まるちゃんが答えました。
「でも、おじいさんは、まるちゃんのこと、白銀の龍だよって、教えてくれたよね~」と、みゅうちゃんは言いました。
「みゅうちゃんも、そう言ってるよね」と、まるちゃんが聞きました。
「うん、そうだよ」と、みゅうちゃんは答えると、続けて、
「まるちゃんは、みゅうが想像した龍じゃないの?」と、みゅうちゃんが聞くと、
まるちゃんは、「ビリビリビリビリ~」と、みゅうちゃんにビリビリエネルギーを送りました。
「しびれた~、びっくりした~」と言って、みゅうちゃんが驚いていると、
「これで信じた?」と、まるちゃんが聞きました。
「もちろん、信じたよ」と、笑顔になって、みゅうちゃんが答えました。
「ぼくはうれしいよ。今夜、みゅうちゃんに会いに行くね」と言って、まるちゃんは去っていきました。
その日の夜、みゅうちゃんが眠りにつくと、みゅうちゃんの夢の中に、まるちゃんがやってきました。
「やぁ、みゅうちゃん、この世界は気に入ったかな?」と、まるちゃんは聞きました。
そこは、青い空も白銀の山脈も、濃い緑の森も透き通った川も、見るものすべてが壮大で、空気さえも、キラキラと輝く世界でした。
「わぁ~、きれ~い」と、みゅうちゃんは言ったまま、うっとりして、しばらくその世界に包まれていました。
「ほら、ぼくを見てごらん」と、まるちゃんが言うと、
「わぁ、まるちゃんがこんなにたくさん…。いっぱいだね~」と、みゅうちゃんは言いました。
そこには、大小さまざまな、たくさんのまるちゃんが、みゅうちゃんのまわりで、虹色の光となって輝いていました。
「ぼくは、みゅうちゃんにとっては、龍のまるちゃんだよ。今日は、虹色になったぼくを見て欲しかったんだ」と、まるちゃんは話し、
「みゅうちゃん、まるちゃんって言う名前をくれてありがとう。みゅうちゃんは気づいていないかもしれないけど、ぼくの名前には、始まりも終わりもない、何も欠けたものがないという意味があるんだ。それに、調和の和という意味もある。だから、ぼくはこの名前がとても気に入っているんだ」
「それにね、ぼくは、いつもまわりの友達たちに、『名前があってうらやましいな~』って、言われるから、とっても誇らしいんだよ」と言って、まるちゃんは、とても感謝しました。
「みゅうも、まるちゃんに感謝しているよ」と、みゅうちゃんが言うと、
「さぁ、背中に乗って」と、まるちゃんは白銀の龍の姿で、みゅうちゃんにとても嬉しそうな顔を向けるのでした。