オンラインとアドバイス


 以前、みゅうちゃんが寝ている時に、偽物の大樹君が現れました。

 

 そのことを、おじいさんに相談してから、いく日か過ぎました。

 

 そして、おじいさんが予定していた、オンラインで俊哉さんとゆきさんとお話をする日となりました。

 

 みゅうちゃんも、おじいさんと家にいながら、パソコンの画面を通して、俊哉さんやゆきさんと一緒に話すことができます。

 

 「今日は、二人とも、よろしく頼む」と、最初におじいさんが言いました。

 

 「みゅうちゃん、久しぶりだね。あれから元気にしてたかな?」と、俊哉さんが言いました。

 

 「はじめまして、ゆきで~す。隣にいるのがみゅうちゃんね。今日はよろしくね。それから、おじいさんも」と、ゆきさんがあいさつしました。

 

 「えっと、今日はよろしくお願いいたします」と、みゅうちゃんが言うと、

 

 「もう、かわいい~。今日から私の子供になりなさい」と、ゆきさんが言いました。

 

 「話がはじまらんだろう」と、おじいさんが言って、「ゴホンっ」と、大げさに咳払いをしました。

 

 「まぁまぁ、ともかく、はじめましょう。進行は、私で良いですね」と、俊哉さんは言いました。

 

 「みゅうちゃんの質問は、何で、魂の成長が必要なのか?ということだったね」と、俊哉さんは言って、

 

 「それでは、ゆきさんよろしくお願いします」と、画面越しのゆきさんを見ました。

 

 「言葉で説明するのは、むずかしいわね。まず、私は自分が霊的な存在であることを知っているの」

 

 「けれども、自分がなぜ、ここに存在しているのか?自分は何を求め、何がしたいのか?ということについて、本当は、ほとんどわかっていないと感じているわ」

 

 「それでも、私が今より、もっと幸せになるためには、私が成長していくことだって、わかっているのよ」と、ゆきさんは説明しました。

 

 そして、「俊哉、つづきはあなたが言ってね」と、ゆきさんが言いました。

 

 「これは、ちょっと難しくなるけど……」と、俊哉さんが言って、

 

 「もともとみんなは、人間として地球に生まれる前から、霊として存在していたのだと思っている。それでは、人間となる前の霊とはどういう存在なのか?と聞かれても、残念ながら私にはわからない」と続け、

 

 「でも、人間として地上に生まれたことによって、私は神の存在を感じ、しかも自分が神の一部であることを知った。自分自身がミニチュアの神であり、それと同じように、みんなも神の一部であり、ミニチュアの神なのだ。だから神のもとでは、私たちは兄弟姉妹であることを理解した。」

 

 「そして、神の子である私たちが、自分のことをもっと知るためには、神を今よりもさらに理解し、神に一歩でも近づくことだと感じている」

 

 「もっと言えば、私の中で、子が親を求め、親が子を求めるように、無意識のうちにも神を求めている。そして、魂が成長し、神に近づいていくことで、それに見合った幸せが得られること、さらには、自分の世界がより美しく、より豊かになっていくことを、自分の中の魂は知っているのだ」と、熱く語ってから、

 

 「ごめん、熱くなってしまった。みゅうちゃん、むずかしかったね」と、俊哉さんは謝りました。

 

 「むずかしいけど、何となくわかるよ」と、みゅうちゃんは答えて、

 

 「魂が成長すると、本当の自分がわかってきて、大好きなかみさまに近づけるのよね。それから、とっても幸せになって、世界も美しくなっていくんでしょう」と、みゅうちゃんが話すと、

 

 「私も俊哉も、みゅうちゃんを見習うしかないわね。俊哉は、相変わらず熱いわね」と、ゆきさんが言って、

 

 「生きていると、どうしても嫌なこと、辛いこと、苦しいことなどを経験するわよね。それから逃げてしまう人もいるけど、それを一つひとつ解決していく努力を続けることで、知らず知らずのうちに、今まで経験した、同じような嫌なことや辛いことが、苦だと感じなくなっていくものなの」と話し、

 

 「それから、悪と呼ばれるものも、その悪に対して自分が負けずに、その悪によって成長することが出来るなら、その悪と呼ばれるものは、魂の成長のために役立っていることになるわ」

 

 「それは、嫌なこと、辛いこと、苦しいこと、悲しいことなど、自分が不快に思うことであっても、同じことよ」と、ゆきさんは語りました。

 

 「それから、優しさとは、相手の言うことを、何でもかんでも聞くことではないよ」と、俊哉さんは言いました。

 

 「それはそうね。本当は、相手の成長を考えることが、相手の幸せを考えるってことだと思うから、自ずから、相手にどう対応し、どう行動したら良いのかが、わかってくると思うわ」と、ゆきさんは話しました。さらに、

 

 「人にとって大切なのは、思いやりだと思うわ。自分が傷つくのが嫌で人に優しくするのは、思いやりとは違うと思うの」と話しました。

 

 「もっともなことだ。わしは、お互いが協力し、みんなで助け合っていくことが良いことだと思っている」と、おじいさんは話しました。

 

 「みゅうちゃん、今日、聞いたことは、あまり理解出来なかったかもしれない。もしもそうなら、それは上手く説明できなかった私の未熟さのせいだ。だから、これからもお互いに頑張って成長していこう」と、俊哉さんが言うと、

 

 「人間は、肉体で出来た機械仕掛けの人形ではないから、ひとり一人に自由意志があって、どう生きるのかを自分で決められるのよ」と、ゆきさんは言って、

 

 「さらに、今は出来ないことだって、自分が成長することで、いつか出来るかもしれないのよ。どこまでも可能性に満ちているのが、人間なのよ!」と、ゆきさんが語ると、

 

 「そうよ。人間なのよ!」と、みゅうちゃんもゆきさんに合わせて言って、オンラインを終えました。