次の日の朝、みゅうちゃんは、いつもより少し遅く目を覚ましました。
さっそく昨夜あった出来事を、おじいさんに話すことにしました。
「おじいさん、あのね」と、みゅうちゃんが言いました。
「おはよう、みゅうちゃん」と、おじいさんは、いつものようにあいさつを終えると、みゅうちゃんの表情がこれまでと違うことに気がつきました。
おじいさんは、まるでみゅうちゃんと、久しぶりに会ったような気がしました。
「きのう、おにいちゃん…、たっくんが来てお話したよ」と、みゅうちゃんが言いました。
「うん、うん」と、おじいさんは頷きました。
「それでね」と、みゅうちゃんは言って、身振り手振りを交えて、昨夜の出来事を一生懸命に話しました。
おじいさんは途中で、「みゅうちゃんは、とても良い顔をしているね」と、小さな声で言いました。
みゅうちゃんは、それを聞いて、少し照れているようでした。
それでも最後に、「おにいちゃんは、生きていた!」と、みゅうちゃんは大きな声で言い終えました。
「それは良かった……。本当に良かった」
「たっくんのおじさんにも知らせてあげよう」と、おじいさんは言いました。
「うん、おじいさん。それでね。神さまのことなんだけど」と、みゅうちゃんが言ったあと、続けて、
「おにいちゃんが現れたとき、世界そのものが光になっていた。そのとき、みゅうは世界のすべてが神さまだって感じたの」と、話しました。
「これって、おかしいこと?」とみゅうちゃんは、おじいさんにたずねました。
「みゅうちゃん、何もおかしいことなんかないよ」とおじいさんは答えました。
「おじいさんが前に、かみさまのことをうまく伝えれらないって言ってたよね。みゅうもわかった気がする」とみゅうちゃんは言いました。
続けて、「神さまは、見えないおじいさんではなかったみたい」と、みゅうちゃんは、笑って言いました。
「それについては、面白い話があるんだよ」と、おじいさんは言ってから、
「とにかく今は、朝ご飯を食べてしまおう」と、みゅうちゃんに言いました。
「そうね」とみゅうちゃんは言うと、
「みゅう、いつまでも話してないで、早く朝ご飯を食べてちょうだい。おじいさんも、みゅうをあまり甘やかさないで」と、みゅうちゃんは、お母さんのマネをして、おじいさんを笑わせるのでした。