おじいさんとじぃちゃんず


 「みゅうちゃん、かみさまについて、ゆきさんから面白い話を聞いているのだが」と、おじいさんは話しはじめ、

 

 「ただ、ゆきさん自身が言っていたことだが、自分が見たり聞いたり感じたりしたことが、もしかしたら妄想なのかもしれないとも言っていた」

 

 「だからこれは、ゆきさんが体験した物語として聞いてほしいのだが、それでも良いかな?」と、おじいさんは聞きました。

 

 「もちろん、だって、みゅうの、経験の先輩なんだよね」と、みゅうちゃんが答えました。

 

 「そうだね」と、おじいさんはあいづちを打ち、

 

 「はじめに知ってもらいたいことは、ゆきさんは、とても真面目で心の美しい人で、けっして、ふざけて霊の世界を語るような人ではないということだ」

 

 「それでは、はじめるとしようかの」と、おじいさんが言うと、

 

 「はじまり、はじまり~」と、みゅうちゃんは笑顔で言いました。

 

 おじいさんは、「ゆきさんとじいちゃんの物語」と言うと、少し笑って語りはじめました。

 

 ある日、ゆきさんに、新たな存在が姿を現した。

 

 その存在からは、『Final essence of Great Spirit (ファイナル エッセンス オブ グレート・スピリット)』と、伝えられたそうだ。

 

 ゆきさんは、その存在から英語で伝えられたために、思わず、「日本語で伝えて下さい」と、その存在にお願いしてしまったという。

 

 「みゅうだって、英語がわからないもん。まちがってないよ」と、みゅうちゃんが言うと、

 

 「まぁ、それはそうかもしれないが……。イエス様も言っていたが、幼な子とは、よく言ったものだ」と、おじいさんは感心しながら、

 

 ゆきさんは、その存在から、「言葉にして伝えるためには、莫大なエネルギーを使わなければならないので、出来ることなら、こちらから受け取ったままの状態で理解してもらいたい」というようなことを伝えられたそうだ。

 

 それでも、その存在は、きちんと日本語でわかるように伝えてくれたということだ。

 

 言葉にすると「究極の慈悲と哲理のエネルギー(&)生命と魂の法則」であり、エネルギーと法則とは、別々なものではなく、両方合わさって一つということだ。

 霊の世界では、全体と一つが同じであったり、善と悪が同じ源の異なる側面であったりと、地上世界の常識とは、違うことも多いという。

 

 「とてもむずかしいね。みゅうでも、いつかわかるかな~」と、おじいさんに聞くと、

 

 「そのことだが、たぶん、みゅうちゃんは、わからないのではなく、今は思い出せないだけだと思っている」と、おじいさんは答え、さらに話を続けました。

 

 それからゆきさんは、今後もこの存在とつながるために、何か名前をつけた方が良いと思ったらしい。


 そして思い浮かんだのが、「じいちゃん」だったそうだ。

 

 「おじいちゃん?」と、みゅうちゃんは聞きました。

 

 「わしも、ゆきさんに、おじいちゃん、の、じいちゃんか?って、聞き返した」と、おじいさんは話し、

 

 「ゆきさんは、その、じいちゃんです。と、答えたのだ」と、笑いました。

 

 「おじいさん、覚えている?みゅうが、かみさまは、見えないけど、偉くて、尊い、おじいさんみたいな人だねって、言ったこと」

 

 「そうしたら、おじいさんが、それでもよかろうって、言ったんだよ」と、みゅうちゃんが言いました。

 

 「そうだった。そうだった。でも、そのおじいさんではないと思うよ」と、おじいさんは答え、さらに続けました。

 

  この「Final essence of Great Spirit」という存在は、人間的な存在ではない。けれども、ゆきさんにとって、望ましい姿で現れてくれたそうだ。

 

 ゆきさんが「じいちゃん」と名付けたその存在は、統合体としての存在であり、それはグループでもあり、一つの存在でもある。さらに、それぞれが凄い綺麗で男前だそうだ。

 

 その統合体は、さまざま人種で構成されていて、実際には、年齢も性別も判断できない。また、境地はみんな同じでも、成熟度はそれぞれ異なっている。そして、現れ方も、その人にとって、望ましい姿になるということだ。

 

 けっきょく、その存在から名前のことで、「じいちゃんではなく、複数形にしてほしい」と、ゆきさんに伝えられたそうだ。

 

 それでゆきさんは、「じいちゃんから、じいちゃんず」と、名前をつけなおしたのだが、その存在のメンバーたちが、「変えるのはそこですか~」と、みんなで大笑いをしていたということだった。

 

 「かみさまって、とってもおもしろいね~」と、みゅうちゃんが言うと、

 

 「おかげで、わしも大笑いしたよ」と、おじいさんは言って、

 

 「ただ、一緒にそれを聞いていた俊哉が、他の名前も考えなかったの?と、聞いていたよ」と、説明しました。

 

 「ゆきさんは、一応、「Guardian Angel」や「Guardian Spirit」の「G」をとって、「じぃちゃんず」ということにしたみたいだ」

 

 「でも、あの堅物の俊哉が、そこは、 Great Spiritsとしての意味の「G」ですよね。と、めずらしく冗談を言っていたよ」と、おじいさんは話しました。

 

 「どっちにしろ、Gちゃんずで、変わらないだろうに」と、おじいさんが言うと、

 

 「ねぇ、それって、冗談とは違うと思うよ~」と、みゅうちゃんは、笑って言いました。

 

 「とにかく、神さまは、じいちゃんたちということになったよ。ゆきさんにとっては」と、おじいさんも笑って言いました。