みゅうちゃんとまるちゃんのせなか


 今は十二月、日々、日が沈むのが早くなり、寒さも増してきました。

 

 そして今日は、花びらがひらひらと落ちるように、雪が空から落ちてきます。

 

 子供たちは喜び、「きれいだな~、もっと降れ~」と願っていました。

 

 大人たちは複雑な顔をして、「あまり降らないでくれよ」と願っています。

 

 その日の夕方、みゅうちゃんは家の中で、龍のまるちゃんと話をしました。

 

 「まるちゃん、クリスマスプレゼントがほしい」と、みゅうちゃんが言いました。

 

 「わかった。それは叶うと思うよ」と、龍のまるちゃんは答えました。

 

 「やったー。いつ、いつ~」と、みゅうちゃんは聞きました。

 

 「近いうちに」と、まるちゃんが言うのを聞いて、みゅうちゃんは喜びました。

 

 それからしばらく経って、十二月も半ばを過ぎた真夜中のことです。

 

 みゅうちゃんは、ふと気がつくと、すでにそこは夢の中の世界でした。

 

 いつのまにか、白銀に輝く龍のまるちゃんの背中の上にいました。

 

 「どこをつかまればいいの?」と、みゅうちゃんは聞きました。

 

 「だいじょうぶ。怖がらないで」と、まるちゃんは答えます。

 

 みゅうちゃんは、まるちゃんの背につかまりながら、一緒に青く澄み切った空の中にいました。

 

 ときには、きらきら緑色にかがやく森の中を、

 

 ときには、あらゆる宝石がちりばめられた大海の上を、

 

 ときには、すべてが白銀に包まれた山脈の上を、

 

 縦横無尽にあらゆる自然の中を、龍のまるちゃんは、とても早く駆け巡っています。

 

 「あれっ?」と、みゅうちゃんが言うと、

 

 すごい速さで駆けめぐる龍のまるちゃんと、鳥さんたちやトンボさんたち、それに蝶のような妖精さんたちまでが、一緒に、しかもおだやかに軽々と、楽しそうに飛んでいるのでした。

 

 そして、「すごーい。みんなとってもきれいだね」と言って、みゅうちゃんは、これまで感じたことのないとても幸せな気分になりました。

 

 「みんな友達だよ。ここでは世界そのものが、大切な友達なんだ」と、まるちゃんが言うと、

 

 「ありがとう。夢が叶ったよ」と、みゅうちゃんは言って、より強くまるちゃんの背中に抱きつくのでした。