みゅうちゃんとおじいさん


  みゅうちゃんは、おじいさんのお話が大好きです。

 

 おじいさんは、白銀の龍をいつも見ているので、龍のお話をいっぱいしてくれます。

 

 おじいさんは、妖精や精霊のお話もいっぱいしてくれます。

 

 みゅうちゃんは、おじいさんに龍のまるちゃんのことを話しました。

 

 そして、「ねえ、かみさまって、な~に」とおじいさんに聞きました。

 

 おじいさんは、「みゅうちゃん、わしもかみさまを見たことがないんだよ」と、答えました。

 

 「でも、おじいさんは、神社に行って、かみさまと会っているんでしょ?」と、みゅうちゃんは言いました。

 

 「そうだよ」と答えながら、おじいさんはうなずきました。

 

 「でもね、みゅうちゃん……。わしでは、かみさまのことを、うまく伝ることができないのだよ」

 

  おじいさんは、かみさまのことを言葉で説明しようと思ったのですが、どうしても心の中で感じていることを、言葉にすることが出来ないのでした。

 

 「でも、とっても偉い人なんでしょ?」と、みゅうちゃんが聞きました。

 

 おじいさんは笑いながら、「人ではないよ。でも、とっても偉くて尊いお方であると、わしは感じている」と答えました。

 

 「ふ~ん、そうなんだ~。じゃあさ、かみさまは、見えないけど、偉くて、尊い、おじいさんみたいな人だね」と、みゅうちゃんは言いました。

 

 おじいさんは、「それでもよかろう」と答えると、声を出して笑うのでした。