救済の天使にあこがれて

 「ベールの彼方の生活」という、私の好きな本があります。その中で、「暗黒街からの霊の救出」という話があります。

 非常に強い男の天使の方が女性の天使の方と協力して、暗黒街から一人の女性を救い出し休養をさせた後、引き継ぎをするまでのことが書かれています。その暗黒街とは、邪霊集団のたむろする邪悪な霊の住む領域ですから、邪霊集団がその女性を取り戻そうと、天使に挑んでくるのは当然かもしれません。そのために、霊格の高い天使であっても、実際に苦しまれたり疲労することがあるそうです。

 

 私は「ベールの彼方の生活」を読んでから、その男の天使の方に、とても魅力を感じてあこがれていました。私にとっては、ヒーローそのものだったのです。

 そんな私は、ちょうど一年くらい前の就寝前に、こんなお願いをしました。

 

 霊界に向かって、「今夜、寝ている時に地獄界に連れて行って下さい。その界の住民を一人でも救う仕事をさせて下さい。私が霊界に旅だった時には、暗黒界から救う仕事がしたいです。」とお願いしました。(するとこの時、霊界側より「大丈夫かい?」というような回答がきていたと、後ほど教えていただきました。)

 

 そして、すぐに眠りにつきました。

 

 夢の中で若い女性が現れました。他にも誰かいたようですがわかりませんでした。

 具体的な内容を描写することは控えますが、私は若い女性を救うどころか、反対に誘惑に負けてしまったのです。そこが暗黒界であるのがわかったのは、誘惑に負けた後でした……。

 何故なら若い女性は、一瞬でドクロのような顔に変わったからです。

 

 今までたとえ心の中であっても、女性の体を求め続けてきたのは事実です。そして、心霊治療家を目指して心を入れかえたといっても、このように若い女性が裸になって誘惑してきたら、イチコロでした。

 

 (この時、本当に驚いたことは、霊界側が私の願いをすぐに聞き入れてくれたことだったのですが……。)

 

 そして、「私は、油断していたから失敗をしたんですよ」と、霊界側に意志を伝えまったく懲りませんでした。

そうしたら3日も経たないうちに、やはり夢の中で若い女性が出てきました。

「正体はわかっている、騙されないぞ」と思念を発すると、その若い女性はなんと、私の好きな女性に変わって行くのでした……。

 「きったねーな、ちきしょう」と思いましたし、今度も救出どころか大失敗でした。(本当に、反省しています。)

 

 後から教えてもらったことですが、霊界側から私の決意が本物かどうか試されていたようです。(じゃ、落第ですね~)

 

 そこからが大変でした。治癒力である霊力が、私にまったく流れなくなってしまいました。女性に直接ヒーリングをするにも、ためらうようになってしまいました。

 

 おまけに……実は、みんなに言えなかったのですが、油断すると女性が裸になっているように見えるのです。それも、年齢に関係がないので辛かったです。(ちなみに、霊能力のない私であっても、霊界側が必要と認めた時にはそういうことが起るようです。)

 

 そして、首の下あたりだったと思いますが、黄色っぽい変なエネルギーが発生して常にまとわりついていたので、とっても嫌で大変でした。さらに私に邪霊が憑いてきて、そのせいで(他の霊媒体質の人に)迷惑をかけてしまうので、今考えると、煩悩人間そのものでした。

 

 この経験からわかったことは、人や霊を救いたいと願うのは、とても立派なことです。しかし自分が、ヒーローになりたいからという利己的な動機では、霊界側からすればすぐにほころびが出て、見破られてしまいます。本来なら一番に、相手(女性)のことを大切にしてそういう行動をするべきだったのですが、そうはなりませんでした。

 つまり私の動機が、不純だったからでした。

 

 それから、しばらくかかりましたが反省をしていくうちに、前よりはいくらかマシな自分になったと思います。ようやく夢の中で、このように試されることが減ったような気がしますが、身も心もきれいにするのは本当に難しいですよ……。

 

 結局のところ、「救済の天使にあこがれて」いるだけの話になってしまいました。地上生活では、本音と建て前を使い分けることで、人に対して利己的な目的や動機を隠すことが出来るかもしれません。けれども霊界では、まったくそれが通用しないことを自覚した方が良いようです。

 

 何はともあれ、日ごろから、克己心(自分の欲望をおさえる心)が大切だということですね。