ヒーラーの最後

 これは、「ヒーリングから学んだこと」で登場した、フィリピン出身の女性から聞いた話です。

 昨年、彼女がフィリピンに帰る直前の出勤途中、急いでいたせいか、いつもは通らない道を通って、介護施設に入ったそうです。

 その道には、古くて大きい、祀(マツ)られている大木があるそうなのですが、どういうわけかそちらの方に引き寄せられて、その大木の枝に、パチンと顔を叩かれるような形になったそうです。

 

 その後、首や背中のあたりがとても痛くなったそうですが、次の日には、フィリピンへ帰省することになっていたため、我慢していたそうです。

 彼女がフィリピンについてからも、一向に症状が治まりませんでした。心配した家族は、彼女と相談して、フィリピンで無料で見てくれる、評判の良いヒーラーのもとに行くことにしたそうです。

 

 車で2時間以上かけて行き、さっそくヒーラーに見てもらいました。部屋に入るなり、70歳を優に超えた男性の老ヒーラーに、こう言われたそうです。

 「あなたは、どこからやって来たんだい?」

 「とても強力な霊が憑いてきているようだが、フィリピン人の霊じゃないよ。」

 「ここにいるべき霊ではないので、もといた場所に帰ってもらうようにしなければならない。」

 そこで彼女は、たった今、日本から来たばかりで、それからすぐに車で2時間以上かけて、やって来たことを話したそうです。

 そして、その老ヒーラーは、風邪を引いていて体調がすぐれないにもかかわらず、快く、その霊の対処を引き受けてくれたそうです。

 そして、すぐに体の痛みや不調が取れたそうです。

 

 彼女が帰国した後、彼女の家族が、改めて、その老ヒーラーにお礼の言葉を述べようとしたのですが、その霊を引き受けた一週間後に、その老ヒーラーは亡くなったとのことです。

 彼女は、ショックを受けたそうですが、亡くなった老ヒーラーは、最後まで人のために尽くしてきたそうですから、きっと、使命を終えて天に召されたのだと思います。

 


 せっかくですので、彼女の亡くなった祖父の話もしたいと思います。

 

 彼女の祖父は、生前、修行を続けてヒーラーとなったそうです。そして、人のために尽くして生きてきたと聞いています。

 

 彼女の家は、もともとヒーラーの家系だったようで、祖父は、彼女にヒーラーになることを望んでいたそうでした。

 

 そして、代々その家系で、ヒーラー継承者に受け継がれている、(とある)物も含めて受け継いで欲しいと言われていたそうです。

 そのため、彼女は、祖父からヒーラーとしての心構えを、子供の頃から良く聞いていたそうです。

 

 しかし、彼女の母親は、それを受け継ぐことで、彼女の人生が辛いものになることがわかっていました。彼女をヒーラーにさせないために、代々受け継がれてきた(とある)物を封印したまま、母親は亡くなられたそうです。

 その(とある)物とは、改めて聞いたのですが、おそらく真珠のような小さな玉で、その玉を飲み込むことでヒーラーを受け継ぐ、儀式のようなものではないかと思われます。

 

 このように、家系によってヒーラーを継承していくという話もあるのですね。

 


 「ヒーラーの最後」と、わざわざタイトルをつけたわりに、上記2つの話は、人のために尽くしてきたヒーラーだったので、怖い話ではなかったと思います。

 

 これも、フィリピンでの話になります。最後に、ヒーラーとして、道を踏み外してしまった方の話を紹介します。この話は、先ほどから登場されているフィリピン出身の彼女の母親が話してくれた話です。

 

 彼女の母親は、とても熱心なカトリック教徒でしたが、ヒーラーの方を、とても信頼していたと聞いております。

 

 そして、彼女の母親は、糖尿病を患っていて、いろいろと体調を崩されていたそうです。そこで、薬を飲んでも一向に良くならないために、親交のあるヒーラーにみてもらうようになりました。

 その男性ヒーラーは、有能だそうですが、生活のために、お金を取ってヒーリングをしていたそうです。

 

 そのヒーラーに見てもらったところ、体調の方も良くなってきたので、母親は感謝をしていたそうです。しかし、しばらくするとまた体調が悪くなり、またお金を払って、ヒーリングをしてもらうということを、何度か繰り返したそうです。 

 

 彼女の母親は、それでも信じていたのですが、家族の方は、けっして安くはない、お金がかかっているために、だんだんと、そのヒーラーに疑問を抱いていたそうです。

 

 それからしばらくして、その男性ヒーラーが事故にあって瀕死の状態であると、彼女の母親に連絡が入りました。そして、そのヒーラーが、彼女の母親に、すぐ来て欲しいとお願いしているということでした。

 

 そして、そのヒーラーのもとに、母親が駆け付けました。そこで見たヒーラーの下半身は、事故のためにズタズタになっていたそうです。誰が見ても、手の施しようがないのが一目瞭然だったそうです。

 

 そして、男性ヒーラーは、母親に告白をします。

 

 「お金を取ってはいけないことを、知っていました。許してください。あなたの病気を取った後、お金を得るために、あなたに、また病気をつけていました。いつも、あなたは良くしてくれたのに、ごめんなさい。私は、やってはいけないことを、知っていたのにやったのです。許してください。」(※推測ですが、このヒーラーは、邪霊を操っていたのではないかと思われますが、すでに、自分が操られていたのだと思われます)

 

 この事故は、なるべくしてなったのだと、そのヒーラーは言っていたそうです。

そして、この男性ヒーラーは、そのまま亡くなりました。最後に、彼女の母親に懺悔をすることが出来たことが、せめてもの救いです。

 

 これらの話は、私に対する教訓として、霊界の方から、彼女の口を通して教えてくれたのかもしれません。