地上時代の信仰の誤りに気づいた霊


地上時代の信仰の誤りに目覚めたスピリット


[クリスチャン・サイエンスの場合]


 ある一つの信仰に固執して、他の信仰をすべて排斥する態度が、死後の向上の大きな障害となることは、これから紹介する、地上ではインテリに属していた人でクリスチャン・サイエンス(注)を信じていたスピリットが、生々しく証言している。

(注 メアリ・ベーカー・エディという米国人女性が創設した新興宗教。正式の名称をThe Church of Christ, Scientistというところからも窺えるように、キリストへの信仰を基本として『信仰一つで病気は治せる、信仰は肉体に優る、物質は存在しないと思え』という教えを特徴とする)


●クリスチャン・サイエンスの信徒の証言
 我々の友人で熱心なクリスチャン・サイエンスの信徒だった人が、他界して間もなく招霊されて迷いから覚めた。そのあと再び出現して死後の事情を語ってくれた。以下は、その時の速記録である。


 1918年1月27日
 スピリット=H・M氏


「また出させて頂いて、うれしく思います。
 特に今夜は妻が出席してくれておりますので、生前と同じように語らせて頂きたいと思っております。
ー元気そうだな。会えて嬉しいよ。本当なら地上に戻ってくる気にならないところだろうが、君がいるからこそだよ。
 地上というところは、小学校のようなもので、経験を通して理解力を養っていくところのようだ。霊界へ来ると進歩また進歩になるのだが、それには霊的摂理の理解が大前提となっている。正しく理解していないと、暗闇に置かれたまま地上圏をうろつき回ることになる。
 今思うと、私は地上時代に、少しではあったけど、死後の世界についての知識があったことが幸いしたようだ。わりに早く霊的視力が働いて、霊界の美しさが見えたからだ。地上時代の知人に大勢会っているが、未だに暗闇の中にいる者が少なくないのだ。私は今、そういう人を目覚めさせる仕事をしているところだ。
 霊界というところは、素晴らしいところだよ。なんとかうまく描写してあげたいのだが、それが出来なくて残念だ。実に美しいし、実に上手く調和が取れている。
 シルバー・スターには感謝しなくてはならない。霊界へ来て真っ先に声をかけてくれたのが、あの人だった。予め霊界の事情を知っていたとはいえ、目覚めるまでにかなりの期間、眠っていたようだ。というのも、死ぬ前の私は、病気の性質上、麻酔薬を使用し続けていたかららしい。が、インディアンの少女の姿をしたシルバー・スターが呼び起こしてくれて、無事スピリットの世界に連れてきてもらえたわけだ。
 君も知っての通り、私は永い間病気で、そのままこちらへ来たが、その病気の治し方に間違いがあった。クリスチャン・サイエンスが物質はないと教えるものだから、それを信じたのがいけなかった。
 所詮人間は、物質を意志によって無きものにすることは出来ないのだよ。人間も霊的存在であるとはいえ、物的身体に宿っている以上は、その身体に必要な栄養分を摂取する必要があるわけだ。それを私は怠った。
 神は大自然を活用する能力を与えてくださっている。それを正しく使えばよいのであって、クリスチャン・サイエンスの信者がそれを拒否して信仰のみで生きようとすると、当然その不自然さが生み出す結果も不自然なものとなる。私がその犠牲者というわけだ。強烈な意志と信仰心とをもって信者となり、物質なんかないのだ、意念で病気を克服するのだと、一生懸命頑張ったが、所詮無理だった。
 それを説いたエディ女史は、今、大変苦しんでおられる。考えてみれば不自然な話だ。例えば、ドレスのどこかが綻べば、同じ色の同じ性質の素材で繕うのに、彼女はそれを意志の力で生み出せと説いたようなものだ。
 結局、私はろくに食事らしい食事をしなかった為に、器官そのものが衰弱し、機能が衰えてしまったわけだ。医者へ行けば良いものを、それを意志の力で補おうとした。ドレスにあいた穴を繕うことをせず、穴なんかあいてないと言い張っていたようなもので、身体というものの存在を無視した、その報いに他ならないわけだ。
 身体を強くしたければ、スタミナをつけるための方法を講じないといけない。なのに私は、それを精神力だけで補おうとして、食事らしい食事をせずに、ただ衰弱させて、それで死亡したわけだ。
 神は、人間に物的身体を与えると同時に、それを健康に保つ為の知恵を生み出す知力も与えてくださっている。そのどちらに偏ってもいけない。私は、身体に着せる衣装にはずいぶん心を配ったが、身体そのものは全く大事にしなかった。衣装に配った気遣いの半分でも身体に向けていたら、今もまだ地上で元気に生活しているのではないかと思う。
 そのうち多分『死』というものは存在しないーこの世からあの世へと移行する為に、物的身体から脱け出るだけのことだ、ということが常識となる日が来るだろう。そうなると、ちょうど旅に出る前に旅先での準備をするように、死後の生活に備えて真面目に準備をするようになることだろう。そこには『死の恐怖』は全くない。
 クリスチャン・サイエンスの信者の多くが、身体の手入れを疎かにし過ぎて、私のように早死にしている。理性を使わずに気力ばかりで、栄養が偏ったり不十分だったりするわけだ。私も物質はないのだと真剣に考え、空気だけ呼吸していれば生きていけると信じていた。言わば催眠術にかかったような状態になって、物質界にいながら物質的な生活をしていなかった。
 (サークルのメンバーに向かって)もしもこの妻がいなかったら、私は食べることすら拒否していたことでしょう。幸か不幸か、妻はクリスチャン・サイエンスの信仰にはあまり熱心ではなかったのです。もしも二人とも一生懸命だったら、死体が二つ転がっていたことでしょう。
 そろそろ失礼しなくてはなりませんが、最後に、私が他界した時の様子と、その後の体験を少しばかり述べておきましょう。
 私は、シルバー・スターに呼び起こされて目を覚ましました。が、まだ死んだことに気づいていませんでした。そのうち、身体がとても楽なので、これはついに精神力で病気を克服したのだと思ったのですが、実は今と同じくウィックランド夫人に乗り移っていたのでした。
 博士から『どなたですか』と聞かれて、変だなと思いました。そのあと博士から色々と説明して頂いて、ようやく自分が一週間前に死んでスピリットになっていることを知りました。そう自覚すると同時に、既に他界している父や母、弟や妹の姿が見えるようになり、その後さらに親戚や友人と再会して、確かに死後の世界へ来ていることを確信しました。
 ウィックランド夫人の身体を離れた後は、なぜか体力の衰えを感じ、とても眠くなりました。そのうち宙に浮いたような感じがして、ただただ眠り続けました。そして、次に目が覚めてみると、周りに親戚や友人が来ておりました。そして『もうすっかり元気になったから、これから霊界見物に連れてってあげよう』と言うのです。
 誘われるまま後についていくと、彼らはみんな『自分の家』を持っていることを知りました。その一つ一つを訪ねて回ったのです。その時の印象は、全てに『調和』が行きわたっているということでした。そして、みんな異口同音に、霊界というところはボケッとしていられないところで、一瞬の休みもなく、何かの仕事に携わっている、ということを聞かされました。そして『さ、あなたもすっかり元気になられたようですから、いいところへ案内してあげましょうー地球へね』と言われて、びっくりしました。
 最初に浮かんだのは妻のことでした。(奥さんに向かって)君のことはずっと気にかかっていて、是非会いたいと思ってたよ。
 霊界から地球圏へと戻り、そしてついに地上へと着きました。地球というのは、ごく小さな天体です。その周りに、地球に属する暗黒の境涯があります。その外側に霊界があるわけで、霊界と物質界との距離は60マイル程です。
 キリストも、その暗黒の境涯にいる地縛霊達に会いに降りて行っております。そこは言わば『無知の牢獄』です。私達も、そこを通過しないことには地球へ来れません。その途中で見た暗黒界の光景は、とても口では説明できません。
 そこには歪んだ心の持ち主、利己主義者、嫉妬の固まりのようなスピリットが集まっていて、それこそ身の毛もよだつような状態の中で暮らしています。どの顔にも醜い性格が、そのまま現れています。衣服は地上の時の好みのものを身につけています。記憶がそうさせるのです。
 彼らの存在は、地球にとって言わば『害虫』のような悪影響を及ぼしています。気味の悪い虫けらが群がって、毒々しい雰囲気を発散しています。地縛霊の境涯だそうです。
 そこを通過して、ようやく物質界へと到達しました。そこで私が目にしたのは、まるで蟻のように動き回っている人間の群れで、その一人一人に、たいてい地縛霊の一人や二人がつきまとっている光景です。船底に付着する藤壷のように、ひっついたり振り落とされたりしています。その光景をどう言い表せばよいか、分かりません。
 (奥さんに向かって)私はずっと君のそばにいたんだよ。君は、なんとなくそれを感じ取っていたみたいだね。僕は、まだ精神的に頑健でないので、君に霊的に印象づけることは出来なかったけど、君の方は気づいてくれたみたいだったよ。勿論、ホンの少しだけどね。まだ僕の方が霊的に君に近づく要領が分からないのだ。そのうち勉強して、君を陰で援助するようになるつもりだ。
 (博士に向かって)この度は、このサークルで話をさせて頂く光栄をたまわって、有り難く思っております。いずれまた、来させて頂きたいと思っております」


クリスチャン・サイエンスの教祖の懺悔―その1


クリスチャン・サイエンスの教祖であるM・B・エディ女史も、何度か我々のサークルに出現して語っている。その時は決まって大勢のスピリットを呼び集めて、一緒に聞かせている。地上時代に彼女が物質と生命について説いた間違った概念から抜け出られないスピリット達である。次に紹介するのも、そうした目的をもった、いわば『懺悔』の講演である。


 1918年2月24日
 スピリット=メアリ・ベーカー・エディ


「また出させて頂きました。私は未だに惨めな思いをさせられております。疑わないでください。本当なのです。なぜ人は疑うのでしょう。
 神よ、どうか救い給え!私は今酷い目に遭っております。
 正直言って私は、死後の実相を知っておりました。地上にいた時から知っていたのです。が、自分独自の宗教を持ちたいという野心に唆されて、その真理への扉を閉じてしまったのです。スピリチュアリズムを過去のものとして葬り、何か新しいものをースピリットの教えを届けるだけとは違う、目新しいものを、と考えたのです。
 その為に、私は『自我の独自性』を旗印にしようと考えました。自分は外部からの何ものにも左右されることはないー霊的影響力もない、インスピレーションもない、と説きました。自分があるのみで、その自分の精神力を発揮して『無限』と一体となるーそうすれば病気は治るのだと説きました。霊界との連絡を断って自分中心に考えよー端的に言えば、それが私の教えでした。一方では、実は、心霊治療の存在も知っていたのです。
 私は霊媒体質の人間でした。子供の頃からよく憑依されていました。それが人目には異様に映ったようです。それを起きなくしてくださったのは、私の恩師のクィンビー博士(注)でした。博士はその原理についてよく理解しておられました。私はその博士の学説を取り入れました。が、都合のいいところだけを取り入れたところに間違いがありました。その最大の原因は、物質の存在を否定したことにありました。これには、私なりの体験が禍いしているのです。

(注 Dr.P.P.Quimby メスメリズムないしヒプノティズムと呼ばれる催眠療法とは異なる独自の治療法を打ち出した精神科医であるが、確固とした体系を持つに至らなかった。ただ、その治療法によって健康を回復した人達が次々と弟子となって、そこから一種の『新思想運動』のようなものが生まれた。それに加わった一人がエディ女史で、やがて信仰一本による治療を柱とする新宗教を興すに至った)

 ある時私は、病気のまま他界して霊界でも病人のつもりでいるスピリットに対して、霊界の指導者が、物質は存在しないー肉体はもうなくなっているのです、と説き聞かせている場面を霊視したのです。こんなふうに言っておりましたー『物質のことは忘れなさい。ただの想像上の産物に過ぎません。あなたはもう病気ではありません。病気だと思い込んでいるに過ぎません。病気は物的身体にしかないのです。それを克服して内部の霊性を発揮しなさい』と。
 その光景を見て私は、これは、同じことを地上でやりなさいという意味なのだと受け止めたのです。そこに間違いがありました。霊界へ行ってなお物質に囚われている人にとっては『物質を克服しなさい』と説かねばなりません。暗闇の中にいる地縛霊は、地上時代と同じ物的感覚から抜け切っていないから、そういうことになっているのです。ですが、それをそのまま地上の病人に当てはめようとしたところに間違いがありました。何しろ私には、物質とは何かということすら説明出来なかったのですから。
 今の私は、私の信者に物質の存在を認識させ、死後の世界の実相を理解してもらいたい気持ちで一杯です。出来ることなら地上の私の教会へもう一度戻って、真実の神の摂理を説きたいところです。神とは宇宙の大霊であり、私達はその大霊の一部なのです。この大原理を理解すれば、物質を克服することが出来ます。
 物質界の人間は物的身体に宿っています。それが病気になるのは、健康を保つ為の何らかの要素が欠けているからです。それは、ある程度までは精神力でカバー出来ます。私はそう説くべきだったのです。物質の存在を全面的に否定しなければ良かったのです。
 正直に言って、私はお金が欲しかったのです。世界で最も豪華な教会を建造したいという野心がありました。世界中に自分の教会を建て、自分の教えを広めたいと考えておりました。
 どうか疑わないでください。私はエディです。クリスチャン・サイエンスのメアリ・ベーカー・エディです。今では平凡な一介の人間に過ぎません。間違った人生を送った、罪深い人間です。私こそ救って頂かねばならない身の上です。地上で私を信じていた人達がやって来ては、私に救いを求めます。が、私こそ救いを求めているのです。信者達が私にしがみついて、なんとかしてくれと頼みます。私が、彼らの幸せへの扉を閉じてしまったのです。
 私が、このサークルを訪れたのは、ここへ招かれた私の信者が数多く救われていることを知ったからです。私も各地を訪れて、霊媒を通して私の教えの間違いを説いております。数人ずつのサークルですが、その方がよく理解して頂けます。このサークルにも時折来させて頂ければと思います。それ以外に、私の救われる道がないのです。
 本日も大勢のスピリットがここに集められております。皆、物的感覚から脱け切れない者ばかりです。私は今、皆さんに語りかけていながら、実はかつての私の信者に語りかけているのです。きっとこの中の多くのスピリットが、潜在意識を刺激されて、目覚めてくれるものと確信しております。この機会を与えてくださったことに感謝いたします」

サークルのメンバーからの質問「最近『霊界からのエディ女史の告白』というパンフレットが発行されていますが、あれは本物と受け取ってよろしいでしょうか」

「間違いなく本物です。私はチャンスさえあれば、いつでもどこでも語っております。本日のこの話で終わりにするつもりはございません。私の教えの信奉者に対して、あらゆるチャンスを利用して真実を語り続けます。
 エディが出たとの噂を、これからもよく耳にされるはずです。各地で話題を振りまいて回ります。疑う方もいらっしゃるでしょうが、構いません。私は休まず続けます。皆さんにも、私の告白の話題を広げて頂きたいのです。大規模なものは求めません。少しずつでいいのです。そして、こうして時折語らせて頂ければ、霊界へ来ている私の信者を連れて来て聞かせたいのです。やはり、こうして肉体に宿って語る方が(波動の関係で)心に響き易いようです。
 この度のご厚意を感謝致します」


"死"んでなお教祖に傾倒する狂信者


同じ年の六月に、エディ女史の狂信者の一人が招霊された。自分の信者を啓発することの難しさを知ってもらう為に、エディ女史自身が連れて来たものである。


 1918年6月16日
 スピリット=女性であること以外は不詳


スピリット「ここはどういうサークルですか」
博士「無知なスピリット、暗闇の中にいるスピリットを救ってあげることを目的としております」
スピリット「あんなに歌うのは良くないです。静かにして、精神を集中して理解すべきです」
博士「何を理解するのですか」
スピリット「正しい悟りです」
博士「それは何ですか」
スピリット「神の霊性です」
博士「それはどんなものですか」
スピリット「お分かりにならなければ勉強なさることです」
博士「神とか霊性とかについて、ご説明頂ければ有り難いのですが・・・」
スピリット「神とは万物の中に存在し、かつ、万物そのものです。私達は、その偉大な霊性の一部なのです。その大霊に向かって心を集中するのです。内部に宿る高等なエネルギーを発達させるのです。でも、今日はそんな話をしに来たのではありません」
博士「我々を啓発してくださらないのですか」
スピリット「クリスチャン・サイエンスの教会の会員でないと・・・」
博士「さっき、神は万物の中に存在するとおっしゃいませんでしたか。我々の中にもいらっしゃるのでしょう?」
スピリット「正しい悟りを得ればの話です。正しい悟りを得なければ神の一部ではありません。皆さんは俗物の部類に入ります」
博士「神は万物の中にあるのに、私達は神の一部でないのですか」
スピリット「あなた方の質問にはお答えする気はありません」
博士「俗物も神の一部ではないのでしょうか。死後はどうなるのでしょうか」
スピリット「私は死とは何の関わりもありません」(クリスチャン・サイエンスでは『死』を無視するように教えている)
博士「神は見出されましたか」
スピリット「神は、宇宙の謎を理解した時に自分の心の中に見出すものです」
博士「あなたの場合はいかがですか」
スピリット「私には悟りがありますから、大霊と一体です」
博士「何の悟りですか」
スピリット「神と、自分の開発についての悟りです」
博士「私の見るところでは、あなたは利己心を開発しただけです」
スピリット「そんなものは俗界の話です」
博士「肉体を失った生命はどうなるのでしょうか」
スピリット「無限なる生命のもとに戻ります」
博士「それはどこにあるのでしょうか」
スピリット「ご存知ないのですか。私には分かっておりますが、今その話をする気になれません。議論はしません。私自身は知っていますが、教えたくありません。私は『神によって選ばれた者』の一人なのです」
博士「無知な者には教えたくないわけですか」
スピリット「はい、教えたくありません」
博士「何という教会に属しておられたのでしょうか」
スピリット「『悟りの教会』です」
博士「それは、どこにあるのでしょうか」
スピリット「本当は世界中にあるべき教会でして、悟りを開き、物質と俗物根性を克服し、無限なる生命と一体となる為の教会です」
博士「クリスチャン・サイエンスの信者なのですね?」
スピリット「そうです。なんでこの私が、あなた方のような俗物根性の固まりのような人達のところへ降りて来なければならないのでしょうか」
博士「そこですよ。あなたほどの方が、こんな土塊で出来た人間共のところへ降りて来たことを変だとは思いませんか。そんなことになるような、何か大きな過ちを犯しておられるに相違ないのですが、いかがでしょう?」
スピリット「多分、俗界での使命があるのでしょう。俗物根性を棄て去るように、そして無限の大霊と一体となるようにと教える為でしょう。あなた方は、まだ悟りを開いていらっしゃらない。正しい悟りへと導くのが、私が、今回こうして降りて来た目的なのかも知れません。
 その為には、まず最初のステップとして、エディ女史のお書きになられたものを読まないといけません。それから無限と一体となって俗物根性を棄てるのです。今はまだまだ無限なる存在を理解していらっしゃらない」
博士「その『無限なる存在』は、あなたのことを何とお呼びになっておられますか」
スピリット「そんなことをあなたと語り合ったり、議論したりするつもりはありません」
博士「あなたが、まだ俗物だった時のお名前を教えて頂けませんか」
スピリット「名前?名前というのは俗界のものです。私にはもう関係ありません。そんなことに関わると霊格が下がります。私は無限なる存在ーあなたの内部に宿る大霊について教えにまいったのです」
博士「そのご足労に対して二ドルお支払いしたいのですが、いかがでしょうか?」
スピリット「それを俗物根性というのです。内部の神性の火花に点火するのです。そうすれば神の元に近づけます」
博士「こんな私達でも、そんな高いところまで上がれるものでしょうか」
スピリット「上がれますともー勉強に勉強を重ねなければなりませんが・・・。それしか救いの道はありません」
博士「あなたはとても高度な段階まで進んでいらして、私達とは話が合わないみたいですね」
スピリット「私は、俗界からはるか遠くへ隔たってしまって、本当は戻ってくる必要はないのです。向上あるのみです」
 博士「こうして俗界へ降りてこられるのには大変な苦痛を伴うことでしょうね?でも、古い諺に『上がる者は下りなければならない』というのがあります」
スピリット「あなたは、一体いかなる素性の人間なのですか」
博士「ただの常識人ーあなたのおっしゃる『俗物』ですよ」
スピリット「では、私が少しでも高いレベルへ導いてさしあげましょう」
博士「お名前は何とおっしゃるのでしょうか」
スピリット「『インフィニット』と呼んでくだされば結構です」(『無限』の意味)
博士「キリストは罪深き人間のもとに降りてこられました。あなたはそのキリストをも超えていらっしゃるわけですね?」
スピリット「私は無限なる神と一体です」
博士「その神とお会いになられましたか」
スピリット「神は内部にましますのです。全ては無限なる神の一部なのです。大宇宙の神と共にあるのですから、幸せなのです。喜悦と調和があるのみです。私はその神と一体となっています。あなた方は、まだ土塊の中に宿っていて、そういうことを何もご存じない」
博士「これはまた、たいそう念の入ったご教示ですね」
スピリット「その無知の状態を克服するのです。一種の過ちなのですから・・・」
博士「誰の過ちでしょうー神の、それとも人間の?」
スピリット「私は、あなた方を向上させてあげないといけないのです。悟りを開かせ、神と一体となるように導く為に遣わされたのです」
博士「論争してみるのも面白そうですね」
スピリット「私には、これ以上の教えは無用です。神と一体なのですから」
博士「クリスチャン・サイエンスでは、死後はどうなることになっているのでしょうか」
スピリット「神の一部にして頂けるのです。地上で私はクリスチャン・サイエンスの総本山であるボストンの教会に通っておりました。『選ばれし者』の一人なのです」
博士「エディ女史にはお会いになりましたか」
スピリット「エディ女史はキリストそのものです。女史は、私にとってのキリストです。神そのものなのです。地上でもっとも優れた女性であり、全ての者が崇拝の対象とすべきお方です」
博士「あなたはいつからクリスチャン・サイエンスに、そこまで夢中になられたのですか」
スピリット「答えません」
博士「エディ女史は、他界されてどれくらいになりますか」
スピリット「あなたと話をする気はありません」
博士「あなたとエディ女史のどちらが先に死なれましたか」
スピリット「(毒々しい言い方で)あなたの質問には答えません!」
博士「神と一体のあなたに、それほどの『毒気』があるとは知りませんでした」
スピリット「エディ女史は死んでいません。これからも永遠に死にません。無限なる大霊についての教育者なのですから」
博士「エディ女史にお会いになったことがありますか」
スピリット「今、ボストンにいらっしゃいます」
博士「もう亡くなりましたよ」
スピリット「亡くなっていません。永遠にお亡くなりになりません」
博士「数年前に死にました」
スピリット「女史自ら死なないと説いておられるのです。土塊から一気に無限の存在になられたのです

博士「あなたは、死んでどのくらいになりますか」
スピリット「私は死んでいません。土塊の肉体から離れただけです」
博士「このロサンゼルスまで、どうやって来られましたか」
スピリット「ここはロサンゼルスではありません。ボストンです」
博士「ある高級霊の一団があなたをお救いする為に、ここへ連れてこられたのです」


クリスチャン・サイエンスの教祖の懺悔―その2


●クリスチャン・サイエンスの教祖の懺悔ーその二
結局このスピリットは、この方法ではラチがあかないと判断され、霊媒から引き離された。代わってエディ女史が出て、右のスピリットのことに関連させながら、次のように語った。(その後の一年間に二度出現している。ここでは重複を避けて、以上の三回の話を一つにまとめて紹介しておく)

「こんばんわ、エディです。メアリ・ベーカー・エディです。今ご覧に入れた、かつての私の信者に関連して申し上げたいことがあって、出させて頂きました。
 今のようなケースでは、スピリット対スピリットとの関係での説得では駄目でして、もう一度物的身体に宿らせてみる以外に手だてがないのです。いずれにしても、こうした信者を見ると私の心は痛みます。私が真実を知っていながら、それに心を閉ざしたことに全ての原因があるのです。もしも私が霊的真理の重大性を理解し、そのままを教えていれば、こんなことにはならなかったはずです。私は本当のことを、ちゃんと知っていたのです。なのに、自分を偽ったのです。
 今回の招霊に先立って、私はマーシーバンドの方にお願いして、かつての私の信者を百名ばかり集めて頂きました。ウィックランド夫人に乗り移ったスピリットは功を奏しませんでしたが、その様子を見物していたスピリットに対して、いい実物教育になったと考えております。
 地上時代の私は、信者に対して精神のみが実在であると説き、私の著書を読んで読んで読み返し、第二の本性としてしまいなさいと言い続けました。それを素直に信じて実行してきた信者が、毎日のように霊界入りしてきます。そして同じことを実行し続けています。私が、もうそんなことをしなくとも良いと言って、ごく当たり前の霊的事実を説いても、まったく耳を傾けようとしません。私の著書に書いてあることしか念頭にないのです。その、狭くて間違った世界に閉じ籠ったきりなのです。
 今夜はマーシーバンドのご厚意に感謝しております。そうした私の信者が大勢連れてこられて、今の女性のスピリットを貴重な実物教育としてくれたことと思います。本人自身も、いずれは目覚めてくれることでしょう。
 私も元々は、入神霊媒でして、リーディング(注)の催しに出席しておりました。が、正直言って、私は霊媒という受け身の仕事に飽き足らず、自分独自の宗教を興したいという野心を抱いたのです。そして、クインビー博士の説と、前回申し上げた私の霊的体験を組み合わせて、クリスチャン・サイエンスを創立しました。
 (注 霊視力と霊聴力を使って、手渡された封書の中身を読み取ったり、他界者の遺品を手にもって、そのスピリットの現在の状態を述べたり、本人からのメッセージを伝達したりする。時には何の手がかりもなしに、列席者の側に寄り添っているスピリットに関して、他人の知るはずもないプライベートなことを述べたりすることもある)
 私には霊能があり、特に晩年は霊界と現界を何度も行き来しておりましたから、霊界の実情は分かっていたのです。既に他界していたアルバートからも、本当のことを語っておくべきだと強く諭されていたのですが、私はそれを拒否しました。自動書記による通信も、実はたくさん受け取っていたのです。が、通常意識に戻るとそれを破棄しました。
 リーダーの立場に立つと、人間はとかく自分独自のドグマを主張したがります。それを目玉にして信者を集め、それを自分の金づるとして確保する方策を考えます。少しの間は上手くいっても、そのうち必ず真実が頭をもたげ、広がります。
 真実を恐れてはなりません。真実を恥じてもなりません。人間は、いつかは真実が分かるようになります。真実は実在しているのですから、いつかは花開きます。ドグマや新説で飾り立ててはいけません。私も恐れず真理を説いていれば、私の教会にとっても、よほど良かったはずなのです。
 次に、私がこちらへ来てからの体験を少しだけ述べておきましょう。私は死後のことについて知っているつもりでした。実は意識の段階では、自分だけは肉体に宿ったまま永遠に死なないと思い続けていた為に、死後の現実を目の当たりにして戸惑いました。そして今、それがいかに幼稚で滑稽な考えであったかがよく分かります。
 ご承知の通り、私は物質というものは実在しないと説いておりました。なのに、私の死に際して、なぜ遺体の埋葬にあれほどの大金をかけたのか。それは明らかに私の教えに反することでした。が、やはり地上の人間にとっては、肉体は実在です。
 霊界へ来て生命に目覚めた時ーこちらの生命こそ実体あるものですー私は肉体に代わって、霊体を備えておりました。地上にいた時も、度々霊界を訪れては肉体に戻るということを体験しておりましたので、この度もまた戻れるつもりでいました。が、肉体は朽ちておりました。それなのに、なお私は霊体を肉体と思い込んでいました。死というものはない、絶対に死なない、という意識を強く持ち続けていた為に、そういう観念が出来上がってしまい、霊的実情を悟っていく上での障害となっておりました。
 そのことを、私に諭す為にまず姿を見せてくれたのは、弟のアルバートでした。ご承知のように、私は死者が戻ってくることはないと説き、著書にもそう書いております。それで弟を見て、瞬間、その現実を無視しようと思いました。死者のスピリットと会うなどということはないのだと自分に言い聞かせていますので、それが真実に思えていたのです。若い頃霊媒をしていた時期にも、弟が私に乗り移って喋ったことがあるのですが、その後それを拒否するようになりました。
 その弟が面と向かって『考えが間違ってるよ。どこがどう間違っているか教えてあげるから、おいでよ』と言うのです。
 次に現れたのは最初の夫でした。私のことを一番よく理解してくれていて、彼の手引きで次から次へと、かつての知人・友人と会うことが出来ました。そして、師のクインビー博士に出会いました。すると、こう言われましたー『君は私の説を自分のものにして、私のことはその後一切口にしていないね』と。
 そう言われて私は、自分がいかに利己的だったかを思い知らされました。罪の意識を感じました。博士に救って頂きながら、その恩を忘れておりました。
 さて、少し時間を取り過ぎたようですね。今回は、私の告白記事(注)を公表してくださったことに対するお礼を述べたくてやってまいりました。あれによって、私の信者が目を覚まし、生命は死後にこそ実在するのだということを理解してくれることと期待しております。
 他人の教えにすがってはいけません。自分で考え、自分で判断し、自分をコントロール出来るようにならないといけません。他人の為に役立つことをするのは、それから後のことです。
 私は、メアリ・ベーカー・エディです。出させて頂いたことに感謝します。さようなら」

 (注 ウィックランド博士のサークルが発行していたReasonというタイトルの機関誌に掲載された)