14章 交霊会の舞台裏


〔シルバーバーチの交霊会は最初から霊言による説教ばかりだったわけではない。初めのころは数人の知人だけの集まりで、テーブル現象その他の物理的なものもよく見られたようである。その中に混じってシルバーバーチによる霊言が語られるという形を取っていたが、ある時期を境に物理的なものが出なくなり、サークルのメンバーの入れ替えもあって、シルバーバーチによる霊言が中心となって行った。本章ではその舞台裏の霊的な事情が語られている〕

この交霊会には一団のスピリットが携わっております。発達程度もいろいろです。一方には地上圏に近い、多分に物質性を具えたスピリットがいます。霊力を操る上で不可欠のものを用意するのがその役目です。

一方、光輝く高級霊の一団もいます。本来の所属界での生活を犠牲にして、地上のために働いております。こうして交霊会を催している時だけではありません。皆さんの睡眠中も活動しております。少しでも多く霊的真理を地上にもたらすために、いろいろと心を砕いているのですが、それでもまだ闇夜に輝くほのかな明かり程度でしかありません。

にもかかわらず、そうした大霊の使徒が足繁くこの小さな一室に通うのは、ここが素敵な場所だからです。それは建物が大きいとか、高く聳(そび)えているとか、広いとかの意味ではありません。真理という名の光を地上界に注ぐ通路として、ここがいちばん優れているという意味です。こうしたサークルから地上世界は新しいエネルギーを摂取し、それが利己主義や不正、不寛容といった邪悪を取り除く力となっていきます。大霊の摂理に反するからこそ取り除かねばならないのです。

この仕事はこれからもずっと続きます。大霊が計画された(地球浄化の)大事業の一環だからです。皆さんがサークルの一員として選ばれたのは、お一人お一人が特異な体験をお持ちだからで、その特質をうまく融和させると愛と調和と善意による完全な調和体が形成され、それが光の神殿を形成するほどの力を生み出すのです。

これは途方もなく大きな仕事です。大霊の神殿をこしらえつつあるのですから。そのことを直観して神妙な思いをなさることがあるでしょう。そうかと思うと目先が真っ暗になり、いったい何のためにこんなことをしているのか、こんなことをしていて良いのだろうかと煩悶されることもあるでしょう。それも(肉体に宿る人間として)無理もないことですが、忘れないでいただきたいのは、私たち霊団としては、暗闇に閉ざされた地上界へ光明をもたらすべく、片時も休むことなく皆さんの背後で心を砕いているということです。

直接談話現象が上達する(鮮明で長時間持続するようになる)には、繰り返し練習するしかありません。言いたいことがどれだけ伝えられるかは実際にやってみないと分からないものです。ともあれ皆さんは当初からその上達ぶりを実地に見てこられて、本当に恵まれた方たちというべきです。

この現象もバイブレーションの問題でして、言いたいことがどれだけ伝えられるかが目安となります。皆さんの側としては語られたものしか聞こえないわけで、語られずに終わったものは、当然のことながらお分かりになりません。

霊界側にとって最も厄介なのは、話したがる者が多すぎるということです。ほんの少しだけでいいからしゃベらせて欲しがります。「お願いです、一言だけでいいです」と言って迫ります。そこでやむを得ず「では話してごらんなさい」ということになるわけです。

そうした厄介なことはあるにしても、ここに神殿を築く仕事は休むことなく続けられております。エネルギーを蓄えること、いろいろと実験を試みること等々、来る日も来る日も、昼夜の別なく、この部屋での交霊会の準備のために大勢の霊が出入りしております。

そのことにあなた方が気づかないのは、例えばあなた方が電話で対話をしている時、電話機を製造するために働いている人たちのことは念頭にないのと同じです。電話口に向かってしゃベっているだけで良いわけで、先方もそれを聞いて受け答えするだけです。が、実際は大勢の人たちの働きがあったからこそ両者は話が通じるわけです。それと同じです。あなた方にはこちらがマウスピースでしゃベったことが聞こえるだけですが、それを可能にするための仕事は大変なのです。

例えばこちらの化学者は一種の光線を使用します。それを用いて現象を発生させるのですが、その化学的成分は地上のいかなる分析器にも引っかかりません。こちらの化学者もよほど熟練していないと扱えないほど精妙なバイブレーションをしています。ですから、こちらの化学者も一時の油断も許されないのです。

その光線はとても強力なパワーを秘めていますが、このサークルの出席者に危害が及ぶことはありません。霊的身体がそれに順応するような体質になっているからです。そのようにこちらで工面してあるのです。実験の度に順応性が高められております。その光線は皆さん自身には見ることも感じることも出来ませんが、私たちにははっきりと見えております。

そうした霊団の者も含めて、今夜だけで五千人ものスピリットがこの部屋に集まっております。あなた方のよくご存じの方で交霊会というものに関心のある人もいれば、こういう場所があることを今まで知らなくて、今日初めて見学に来たという人もいます。

また、霊媒というものを使用して地上界との間でどのような仕事をやっているかを勉強しに、世界各地から幾つもの霊団がやって来ています。こちらでも地上に働きかける方法についての研究が盛んに行われているのです。霊的エネルギーをいかに活用するかが最大の研究課題です。無駄にしてはならないからです。そのために、こちらからいろんな形で人間に働きかけております。自分では意識しなくても霊界からのインスピレーションを受けている人が大勢います。

地上の偉大な科学者も発明家も教育者も、元をただせば霊界のスピリットの実験道具に過ぎない場合があります。要は法則なり思想なり発明なりを地上に届けることが出来れば良いのであって、どこそこの誰がということはどうでも良いのです。

宇宙は全て協調によって成り立っています。一人だけの仕事というものはありません。だからこそ「霊団」というものを組織するのです。目的に沿って必要なスピリットを集め、そのうちの一人がマウスピースとなって地上に働きかけます。私も私が所属する霊団のマウスピースです。霊団の一人として働く方が、自分一人で仕事をするよりも遙かに楽に、そして効果的にはかどります。仕事の成果はそうした霊団全部の力を結集した結果なのです。

成果が素晴らしいということは霊団としての調和が素晴らしいということでもあります。それは、霊媒の出来がいいということが霊媒と支配霊との調和がいいということであるのと同じです。そうでないと、必ずどこかにきしみが生じます。オーケストラとおなじです。演奏する楽器は一人一人違っていても、ハーモニーさえ取れれば一つの立派なシンフォニーとなります。が、そのうちの一人でも音程を間違えれば、全体が台無しになってしまいます。調和が大切なゆえんです。

質疑応答

――心霊現象を起こすためには出席者の霊的エネルギーを使うそうですが、部屋にある物体からも引き出すのでしょうか。

その通りです。カーぺット、カーテン、書物、時には家具からも引き出します。物質に宿っていない私たちが物質を操るのですから、身近にある物体からエネルギーを引き出して使わざるを得ません。といっても、少しずつです。あまり多くを取り過ぎると、バラバラに分解してしまいます。

――物質化現象が起きる部屋のもの、例えばカーテンなどが異常に早く朽ちるのはそのためですか。

そうです、それが原因です。それでも随分その点に気を使っています。物質化現象では色彩を必要とする時がありますが、これもその場の物体から抜き取ります。そういったことをもっと知っていただくと、私たちが何一つ無駄にしていないことが分かっていただけると思います。しかし何よりも大きな力となるのは、あなた方列席者の内部から湧き出るエネルギーです。これが最大の成分です。

物理霊媒も、霊媒現象の質を向上させると同時に、自分の霊性を強化することも心掛けないといけません。霊性が強化されると、その霊媒から出るエクトプラズムの質まで向上するのです。霊現象は材木や粘土を扱っているのではありません。霊媒の体内にある生命のエッセンスを扱っているのです。思想や性格、知性など、その霊媒の人間性の全てがエクトプラズムに反映するものなのです。

――物質化現象は霊媒現象の中で質的に高いものでしょうか、低いものでしょうか。あなたとしては奨励なさいますか。

何事であれ一人の人間に幸せをもたらし霊的摂理についての知識を与えることになれば、それはそれなりに目的を達成したことになります。高い低いの概念で考えるのはいけません。必要な人にとって役に立つか否かの観点から考えるべきです。